自動車のトラブルで増えているのが「煽り運転」
2017年には悲しい事件が起き、一気に社会問題化しました。
前方の車が遅かった
車線変更の仕方が気に入らなかった
など様々な理由があります。
煽り運転をする人が陥りやすいのが「敵意帰属バイアス」。
心理学上の認知バイアスの一つで「認知の歪み」と言われるものです。
今回はこの敵意帰属バイアスを知ることで、皆さんが余計な怒りから遠ざかることができれば、と思い記事にしました。
出たよ横文字・・・出たよ「バイアス」・・・そもそもバイアスって何よ?
偏りや思い込みのことだよ・・・こぶた君は「横文字わからないバイアス」だよ・・・
目次
敵意帰属バイアスとは
敵意帰属バイアスとは、ある第三者の行動について、敵対的に解釈することです。
例えば、あなたは電車に乗っているとします。
近くに乗っていた人が降車する際、その人の持っていたカバンがあなたに当たりました。
その時の反応で
① わざとかばんを当てていきやがって・・・この野郎!!!
② カバンが当たったけど、多分気づいてないんだろうな・・・まぁ仕方ないか
二つの考え方があると思います。
もちろん、カバンを当てた人が謝る、というのが一番いいのですが・・・
多くの人は②になると思いますが、①の人も結構見かけますよね。
その場で舌打ちする程度ならまだしも、追いかけて行って「何するんだこの野郎!」と喧嘩を始める人もいるかもしれません。
このように、相手の行動の原因が相手の敵意から生じたもの、と考えることが敵意帰属バイアスです。
確かに怒っている人いるよね!そして周りは凍りつくよね・・・
多いわけではないけどね・・・どんな人が敵意帰属バイアスに囚われやすいか見てみよう!
敵意帰属バイアスにとらわれる人の特徴
敵意帰属バイアスが強い人はどんな人なのでしょうか?
一言でいうと
「被害者意識が強く、自分を守るために誰かを攻撃する人」
具体的には次のような人だと言われています。
自分に自信がない
敵意帰属バイアスが強い人は、自分に自信がないことが多いです。
自信がなく、かつそれを悟られたくないので、相手を無意識のうちに恐れてしまう。
そのため、相手の発言や言動を悪くとってしまい、自分から勝手に見下されていると感じる、ということです。
自己肯定感が低い
自己肯定感が低い人は、他者と自分を比較してしまう傾向にあります。
昔から誰かと比べられ続けてきた人にはこの傾向があります。
そのため、どうすれば他者に評価されるか、ということが自己肯定感が低い人の行動基準になります。
敵意帰属バイアスに関して言えば、第三者に比較されて、自分が低く評価されることを恐れている、ということが言えると思います。
思い込みや決めつけが強い
思い込みや決めつけが強い人も敵意帰属バイアスが強い傾向があります。
そのような人は第三者の行動、言動に関して「自分に敵意がある」と決めつけてしまいます。
このような決めつけも敵意帰属バイアスの原因になります。
他責思考で排他的
敵意帰属バイアスが強い人は、基本的に自分に責任があるとは考えません。
被害者意識が強く、自分が悪いとは考えないのです。
ですから
「自分=正しい被害者、第三者=誤った加害者」
という考え方なのです。
そのような人は自分の主張が強く、その他の考え方の人を排除する傾向にあります。
なんとなく身近にこんな人いるような気がするよ・・・
敵意帰属バイアスが強い人は決して珍しくないからね・・・
具体例
敵意帰属バイアスが発動する例です。
皆さんも身に覚えがある状況があるかもしれません。
この記事の最初にお話しした、電車でカバンがぶつかった場合なども参考にして頂ければと思います。
質問か詰問か
友達が質問してきました。
「結婚しないの?」
普通の人の回答
・あまり結婚する気ないんだよね・・・
・いい人いなくてさぁ・・・
敵意帰属バイアスの人の心理
・お前が結婚してるからって、見下してんじゃねーよ!
車線変更
隣を走っていた自動車が、自分の車の前に割り込んできました。
普通の人
・危ないなぁ・・・道を知らなかったのかな?
・割り込むなんてずるい人だ!(しかし何もしない)
敵意帰属バイアスの人
・しばくぞこらぁー!!!割り込むなよ!せめて俺の後ろに入れや!
と叫びながらクラクションを鳴らしまくる。
褒められたのに
知り合いと出会ったときに「今日とってもかわいいね!」と言われる。
普通の人
・そうかな?ありがとう!
敵意帰属バイアスの人
・いつもはかわいくないってかぁ~??それともほんとはダサいのに嫌味をいってるのかこの野郎・・・
まぁこんな感じですが、わりと日常にあふれてますよね。
相手の行動、言動を悪く解釈する、というだけです。
ちなみに本当に露骨に敵意を感じる時は敵意帰属バイアスとか関係ないのでご安心ください。
相手に対して言ったりしないけど、敵意帰属バイアスは自分にもあるかもしれない・・・
大丈夫だよ!敵意帰属バイアスは誰にでもあるものなんだ!まずは自分にもその可能性があると知ることが大事なんだ!
敵意帰属バイアスへの対処法
相手が敵意帰属バイアスにかかっている場合
とりあえず関わらない
一番はこのような人と関わらないことです。
急に相手が怒りだしたりして「やばいな・・・」と思ったらもう近寄らないようにしましょう。
どうしても関わらざるを得ない時は、面倒くさいですが聞き役に徹しましょう。
そしてできるだけ早くその場を終了させましょう。
説得しない
理性的で冷静なあなたはきっと相手に説明しようとするでしょう。
そういうことじゃないんだよ!聞いてみただけだよ!
しかし相手が敵意帰属バイアスに陥っている場合、基本的に説得は無駄と考えてください。
あなたが説明しようとすれば、今度その相手はこう感じるのです。
「論破しようとしてきやがる・・・この野郎が・・・」
あなたのことを敵視している時点でもうどうしようもないのです。
説得するんじゃなくて、静かにその場を離れる努力をしましょう。
争うだけ時間の無駄です。
もし暴力を受けそうな場合は近くの人に助けを求めたり、警察に連絡するという行動をとりましょう。
自分がなったらどうしよう??
敵意帰属バイアスがあるということを知る
これはこの記事を読んでいただいて、もう既に理解されていると思います。
実は敵意帰属バイアスは誰もが持つ可能性があります。
それは人間の本能。
例えば、自分が狩猟採集の時代を生きているとしましょう。
突然人がやってきたときに
「あ、一緒に踊りたいのかな?うぇーい!!」
みたいな考えってバカですよね・・・
やっぱり
「うちの食料を奪いにきたのでは?家族を守らねば!」
と思うのが普通だと思うんです。
だから敵意帰属バイアスがあること自体は悪いことではありません。
問題は、それが相手に対する行動にかわってしまうのかどうか・・・
自分にも可能性があるということを知っておきましょう。
事実を冷静に考える
敵意帰属バイアスの発動には何かしらの第三者の行動があります。
その時に一度考えて見ましょう。
「現実に起こったことはなんですか?」
「敵意がない可能性はないですか?」
もちろん場合によっては怒ることも必要でしょう。
でもなんでも疑ってかかるのも疲れちゃいますよね。
相手に敵意がないのにイライラするのは馬鹿らしいです。
答えがわからないことを考えるあなたの時間がもったいないですよ!
確かに、敵意帰属バイアスがあるってことを知ってるかどうかで全然違うよね!
そうだね!怒ってる人をみても、これが敵意帰属バイアスか!って思えたら対応の仕方も変わると思うんだ!
最後に
いかがでしたでしょうか?
敵意帰属バイアス。
私も車の運転をするので、色々気持ちがわかることはあります。
夜間対向車がハイビームですれ違う
高級車はあおらないのに、僕の車はあおってくる
交差点で割り込んで来て僕の進路をふさぐ。結果僕が交差点で立ち往生する。
どれも一瞬イラっとするのですが、心の中で言ってやりましょう。
「もう!おばかさん!」
もしかしたら
親が危篤で死ぬほど急いでいる
運転に慣れていないので無礼なことがわからない
普段通らないので道がわからない
相手に敵意がある可能性もある、でも敵意がない可能性もある。
だって相手の気持ちはわからないから
もしそんなことがあったら、友達にでも電話して笑い話にしましょう!
怒りさえも譲り合いの心で抑えられるように、もう悲劇が起きないようにと願います!
参考ブログ:KUMA Partners株式会社様ブログ