日本人は働きすぎと言われていますが、実は世界の中で、日本は祝日が多い国です。
諸外国では有給休暇の消化率が高い反面、日本では有給休暇の消化率が低く、祝日が多くても実際に休んでいるかどうかは別の話ですが・・・
ところで日本の祝日ってどうやって決めているか知っていますか?
色々な祝日がありますが、もちろん全ての祝日は理由があります。
今回は日本の祝日の一部について、祝日になった経緯などをまとめてみました。
前編は上半期の祝日です。
休みになるのは知ってるけど、祝日の名前までは覚えてないかな・・・
けっこう興味深いからこの機会に覚えてもいいと思うよ!
成人の日(1月の第2月曜日)
毎年成人式が開催されるのはこの日ですね。
1999年までは、毎年1月15日が成人の日でした。
第2月曜日に改められたのは2000年からのことです。
なぜ1月15日が成人の日だったのでしょうか?
1月15日は「小正月」といい一連の正月行事を締めくくる日でした。
そして、昔「元服」が行われていたのが小正月だったのです。
元服とは、日本で長い間執り行われてきた、成人であることを示す儀式です。
その名残で毎年1月15日が成人の日とされたのです。
ちなみに太陰暦は月に合わせた暦だったので、15日は毎月ほぼ満月に近い形になります。
大人の門出が満月というのもなんとなく縁起もいいような気がしますね。
ちなみに、「国民の祝日に関する法律」に成人の日はこのように記載があります。
「おとなになったことを自覚し、みずから生き抜こうとする青年をはげます。」
元服が関係あるんだね!なんか納得だね!
建国記念の日(2月11日)
2月11日が祝日になったのは、明治6年にさかのぼります。
当時の名前は「紀元節」
紀元節は日本の初代天皇とされる神武天皇が即位した日とされている日です。
神武天皇は紀元前660年1月1日に即位したとされています。
この1月1日は、これは旧暦なので、新暦に換算し2月11日が紀元節とされ、日本の祝日だったのです。
しかし、第二次世界大戦で日本が負けたとき、GHQが「天皇の神格化」に当たるとして紀元節が廃止されました。
占領下でも2月11日を「建国の日」として継続させる話が出ましたが、GHQに反対されてしまいました。
しかし、日本が独立を回復したのをきっかけに復活運動が起きます。
そして、ついに1967年から2月11日を「建国記念の日」として祝日とされることになりました。
ちなみに「建国記念日」ではありません。
これは、紀元節の復活に反対する野党等の反発があったこと、神武天皇が即位した日は確たる証拠があるわけではないということが理由となっています。
現在の法律では、建国記念の日は、「建国をしのび、国を愛する心を養う」日とされています。
日本は歴史が長いから建国の日を定めるのが難しいよね・・・
昭和の日(4月29日)
毎年4月29日は現在、「昭和の日」とされています。
これは、昭和天皇の誕生日として戦前も「天長節」(てんちょうせつ)として祝日とされていました。
そして、戦後も1948年から1988年までは、昭和の「天皇誕生日」という祝日だったのです。
これが昭和天皇が崩御したことに伴い、1989年から名前が「みどりの日」と改称されました。
名前が「みどりの日」となった理由は、昭和天皇が生物学の研究者でもあり自然に親しまれたことに由来します。
しかし2007年から4月29日は「昭和の日」と改められました。
これは法律にあるように「激動の日々を経て、復興を遂げた昭和の時代を顧み、国の将来に思いをいたす」というのが理由とされています。
ちなみに、「みどりの日」という名前はゴールデンウィーク中の5月4日に移動しました。
日本にとって昭和は本当に色々なことがあった時代だよね!
憲法記念日(5月3日)
読んで字のごとしで日本国憲法の施行の日が祝日となりました。
日本国憲法の施行は1947年5月3日のこと。
ちなみに日本国憲法が「公布」されたのは1946年11月3日のことです。
「公布」は国民に周知させることで、「施行」は実際に効力が発生した日という違いがあります。
当初、日本国憲法は5月1日、5月3日、5月5日が候補日とされていました。
しかし、5月1日は世界的な労働者の祭典である「メーデー」と重なる、5月5日は端午の節句とも重なってしまう・・・とのことで最終的に5月3日の施行とされました。
法律では「日本国憲法の施行を記念し、国の成長を期する。」日とされています。
これは知っている人も多いんじゃないかな?
こどもの日(5月5日)
ゴールデンウィークの最終日である5月5日はこどもの日です。
こどもの日は世界中にあり、戦後、日本もこどもの日を制定しましょうということになりました。
さらにこどもの日とするなら、もともとあるこどもに関係する日がいいよねと・・・
そこで候補日は3月3日(桃の節句)、5月5日(端午の節句)11月15日(七五三)の3つとされました。
最終的に、季節も暖かくなってくる端午の節句の日がこどもの日として選ばれました。
法律では「こどもの人格を重んじ、こどもの幸福をはかるとともに、母に感謝する。」とされています。
ちなみに端午の節句と同じ日ですが、男の子の日である端午の節句とこどもの日は別のイベントなので女の子も祝ってあげてくださいね。
なんとなくゴールデンウィークってだけで意識したことないかも・・・
次回は7月から12月までの祝日です!
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