しっかり睡眠ハッピーライフ③~睡眠のための工夫!できることから一歩ずつ~

前回までの記事はこちら!

睡眠の工夫

ここでは睡眠に関する様々な工夫についてご説明します。
皆さんが困っていることや始められそうなことから無理せず始めてみてくださいね!

寝付けない方へ

アロマの勧め

なかなか寝付けないという方。
植物の香りに包まれて寝る、というのはいかがでしょうか?
布団に入ったもののなかなか寝付けないとき、自律神経は交感神経が優位な状態になっています。
脳が興奮状態で活動的になってしまい眠れない
眠らないと!と思うほどにまた興奮状態に
という良くないスパイラルに陥ってしまいます。
しかし、脳が心地よさを感じるアロマの香りで部屋を包み込めば、リラックス効果を生じて副交感神経が優位になり、眠りやすくなります。
おすすめはラベンダーの香り
お手頃なものも市販されていますので、気軽に始められると思います。

少量のお酒(※注意!)

お酒を飲んだ日は眠りが浅くなり、寝た気がしない・・・
私も感じたことがありますし、そのような経験のある方は多いでしょう。
しかし、少量のお酒には脳を興奮させる神経物質の働きを抑え、脳を落ち着かせる効果があると言われています。
ポイントは
寝る直前に
アルコール度数が強いものを
ほんの少しだけ
多量になると全くの逆効果になるのでご注意を!
アルコールには利尿作用があるため尿意で目が覚めたり、ノンレム睡眠が現れなくなってしまいます。
「ちょうどよい量」がわからない方はやめた方がいいと思います。

真っ暗だと眠れない方

電気を消して真っ暗にすると眠れないという方もいますよね。
しかし、電気をつけたまま寝ると、深い睡眠の時はまだしも、浅い眠りの時には光の刺激を受けて目が覚めやすくなります。
そこで、どうしても暗くして眠れない方は、常夜灯の色を暖色系にしてみてください。
これで、入眠を促すメラトニンの分泌を妨げにくくなります。
これは夜寝る前のリラックス時間なども同じで、明かりを暖色系の色にすると、体がリラックスし、睡眠モードに体が切り替わりやすくなります。
LED照明の場合は暖色や白色を切り替えられると思いますので、今晩からでも始められますね。

寝具のすすめ

低反発だの高反発だの寝具には色々あり、いざ買うとなると結構迷います。
おすすめは通気性のよい高反発マットレスです。
理由は、高反発で通気性の良いマットレスは、入眠後から深部体温がスムーズに下がり、その状態が持続するからです。
逆に低反発のものは、体とマットレスが密着し、熱が逃げないため、深部体温が上がってしまうことがあります。
深部体温の上昇は睡眠の大敵。
同じことは他の寝具にも言えるため、枕、パジャマ、掛布団なども通気性がよいものを選ぶようにしましょう。
特に枕は、脳の体温を下げるためにも通気性にこだわるのがよいでしょう。

起床の工夫

2段階アラームを活用しよう

起床のタイミングはレム睡眠の最中又はその前後がベストです。
そのために有効なのが「2段階アラーム」
1回目のアラームは小さな音で短く鳴らします。
レム睡眠の時は覚醒しやすいので、このアラームで起きられたらレム睡眠だったということです。
これが一番ベスト。
すっきり目覚められるでしょう。
2回目のアラームは1回目のアラームから20分ずらして普通の音で鳴らします
1回目が深いノンレム睡眠だったとしても、20分後にはレム睡眠にかわっているか、浅めのノンレム睡眠に変わっている可能性が高いからです。
1回目で起きれなかったとしても、2回目のアラームで起きればよいのです。
こうすれば、どちらにしてもある程度すっきり起きられることでしょう。
ちなみに「スヌーズ機能」の使用は避けましょう
もしノンレム睡眠の最中でスヌーズ機能が働き、短い時間で何回も起こされると、寝起きは悪くなってしまいます。

コーヒーを飲もう

皆さんご存じと思いますが、コーヒーももちろん有効です。
カフェインにはアデノシンという睡眠物質の働きを妨害する働きがあるからです。
カフェインの摂取量的には、1日3~4杯程度であれば飲んでも大丈夫です。
朝起きた時や昼食後など、できれば誰かとお話ししながら飲めば、より脳も活性化するでしょう。

日中の過ごし方

運動習慣

適度な運動も質のよい睡眠を得るために有効な手段です。
適度な運動は入浴と同じような効果を得られます。
つまり、深部体温が大きく上がり、その反動で深部体温が通常よりも下がることが影響します。
深部体温が下がることで皮膚体温との温度差が縮まり、より深いノンレム睡眠を得られる、ということです。
ただ、筋肉痛になるほどの運動は寝つきが悪くなることがありますので、ジョギングやウォーキングなど負荷の軽い有酸素運動が適当です。
できれば就寝の3時間前までに適度な運動ができれば、就寝時に深部体温が下がるため、眠りやすくなります。
また、運動を習慣化すれば、睡眠のリズムも整いやすくなるでしょう。

夕食の時間

夕食から就寝まではできれば2~3時間をあけるようにしましょう。
これは、食べてすぐ寝てしまうと、消化のために胃腸が活発に働くため、睡眠の質が下がってしまうからです。
どうしても早めに夕食をとれない時は、食事は脂質やたんぱく質を避けて軽めに済ませましょう。
深部体温を下げる効果のある冷やしたトマトやキュウリなどがおすすめです。
ただ、夕食を抜いて寝るのは避けて下さい。
夕食を抜くと体が飢えた状態になり、脳が飢餓ストレスを感じます。
そうなると交感神経が活発になるため、睡眠が妨げられてしまうのです。

仮眠の取り方

14時~16時までの眠い時間帯。
この時間に眠くなることは避けられません。
できるのであればいっそのこと寝てしまいましょう
仮眠をとれば、その後のパフォーマンスが向上することが立証されています。
ただし、30分以上の仮眠は逆にその後の集中力の低下を招きますので、仮眠は20分程度にしましょう。
企業にお勤めの方は、仮眠を取るということは、難しいかもしれません。
逆に事業主の方は、交代でも仮眠をとる時間を設ければ従業員の方が働きやすくなるかも知れません。
働き方改革ということで仮眠時間の設定を検討されてもいいのではないでしょうか?

睡眠で悩んでいる方へ

まとめて眠ることができない(分割睡眠)

不眠気味の方や高齢者の方など、連続して長い時間眠れないという方もいるでしょう。
例えば、夜中寝ついた後に2時間ほどで目が覚めて、しばらくしてまた2時間程度寝て・・・
でもそんな睡眠でも問題ありません
もちろん、まとまった睡眠ほどの質は得られません。
その場合でも深いノンレム睡眠さえ得られればいいのです。
連続して眠れないことを気にせず、気楽に考えましょう。

睡眠時無呼吸症候群

最近話題になっているのが、睡眠時無呼吸症候群です。
これは眠っている間に呼吸が止まってしまう病気です。
睡眠中は気道や舌の筋肉が弛緩し、舌が落ちて気道をふさいでしまいます。
そのため、空気の通り道がなくなり、無呼吸状態になってしまうのです。
無呼吸状態になるため、覚醒を繰り返し、結果として睡眠不足状態になってしまうのです。
睡眠時無呼吸症候群を患うと、高血圧や糖尿病など生活習慣病を発症し、場合によっては脳卒中や心筋梗塞などの病気にもつながりかねません。
ご家族と同居されているのであれば、一度呼吸が止まっていないか聞いてみましょう。
一人暮らしの方は、しっかり睡眠時間を確保しても日中眠たいなどの倦怠感を感じた場合は、一度医師の診察を受けてみたほうが良いかもしれません。

睡眠障害

不眠症やむずむず脚症候群などの睡眠障害は知られています。
しかしその他にもいろいろな睡眠障害があります。
その一つが睡眠時随伴症群
有名なのは夢遊病や、睡眠中に突然悲鳴を上げて起きる夜驚症。
その他、歯ぎしりや悪夢もこれにふくまれます。
このようにわかりやすいものだけではなく、夜更かしを続けると体内時計がずれてしまい、明け方まで眠れなくなる睡眠相後退症候群、逆に夜まで起きていられない睡眠相前進症候群
昼夜を問わず睡眠と覚醒を繰り返す不規則睡眠などがあります。
これらの症状が続いたり、体が不調の時は専門医に相談するようにしてください。
こぶた
長いよ!!!!出番がないよ!!!
ぶたちく先生
お、おちついて!自分が気になることから始めればいいんだよ!

番外編~睡眠にまつわること~

寝る子は育つ

よく聞きますよね、「寝る子は育つ」
新生児はなんと1日16時間眠っています。
しかし、そのうちレム睡眠は8時間を占め、眠りの深いノンレム睡眠は8時間しかありません。
この点は睡眠のほとんどがノンレム睡眠である大人とはずいぶん違いますね。
赤ちゃんはレム睡眠の間に急速に脳を発達させると考えられており、レム睡眠の間にも様々な刺激を受け続けています。
その後、成長するにつれて起きている時間がだんだん伸び、レム睡眠も短くなっていきます。
大人と同じような睡眠パターンになるのは中学生になる頃。
逆に睡眠時間が十分でないと、脳の発達に悪影響があると言われており、「寝る子は育つ」という格言もとても的確なものかもしれません。

お年寄りは寝られない

子供とは逆にお年寄りは長時間眠れない、なんていう話を聞きますよね。
実際、加齢とともに、体内時計は前倒しになり、早寝早起きになってきます。
さらに深いノンレム睡眠が短くなり、レム睡眠が長くなります。
お年寄りが、尿意や小さな物音で目を覚ましやすいのはそのためで、朝までぐっすり眠るのは難しくなってきます。
ただ、睡眠が不要というわけではないので、お昼寝をするなどして睡眠時間を確保しましょう。
こぶた
うちのおばあちゃんは夜7時ぐらいに寝ちゃうもんね・・・
ぶたちく先生
それは普通のことなんだ。でも睡眠自体は必要だからお昼寝が増えても理解してあげようね!

最後に

3回にわたってお伝えした睡眠のお話はいかがでしたか?
睡眠が大事というのは皆さんわかっていること。
だけど、快適に生活するために何とかしたい気持ちは多くの人が持っていることでしょう。
いきなり全部を改善できなくても、一つ一つやってみて、できそうなものから取り入れてくださいね。