土星のわっかは何でできてる??~探査機カッシーニと研究者の功績~

土星の「わっか」は何でしょう。太陽系の中で、なんで土星だけ・・・?

今回は、あの「土星の環(わ)」だけでなく、カッシーニの壮大な宇宙の旅についてもお話したいと思います!

 


こぶた
あのわっか何だろうって思ってたんだ・・・教えて!ぶたちく先生!
ぶたちく先生
任せたまえ!でもとても難しいから簡単にわかりやすく説明してあげよう。

土星ってどんな星?

まず、土星のお話です。

土星は、太陽から6番目に遠い惑星で、太陽系では木星についで2番目の大きさです。土星の半径は地球の約9.4倍、体積は地球の745倍あります。

ガスで構成された惑星で、硬い地面をもつ地球とは大きく違いますね。少しわかりにくいですが、コアの部分は岩石でできていて、その周りを液体やら気体が覆っていると考えてください。

地球からの距離は約15億km。ちなみに地球と太陽の距離約1億5000万kmです。地球でいえば月にあたる衛星も、土星は約80個あり、スケールの大きさを感じます。

 

こぶた
うーん・・・とても遠くて大きいってことでいい?
ぶたちく先生
・・・うん、それで大丈夫だよ!

土星の環(わ)の正体は氷

そんな土星ですが、最初に頭に思い浮かぶのは、やはりその大きな環でしょう。

実はこの土星の環はそのほとんどが無数の氷であることがわかっています。この無数の氷は塵のような小さいものから、数メートルの岩のようなものまで、大きさは色々です。

しかし、なぜ氷が土星の周りをまわっているのかを含め、まだまだ分からないことがほとんどです。

興味深いのは、環の氷が雨となって、土星本体に降り注いでいるということです。そのため約1億年ほどで、土星の環は消滅する、と言われています。

ヒトの感覚で1億年だとまだまだ先の話と思われますが、土星は誕生が46億年前と言われており、そう考えるとそう遠い未来ではないのです。

 

こぶた
めちゃくちゃ遠いのに氷ってわかるのがすごいね!
ぶたちく先生
そうだね・・・でもそれには学者や探査機たちのすばらしい努力があったのだ!

ガリレオから始まる環の観測の歴史

1610年に土星の環を最初に見つけたのは、有名なガリレオ・ガリレイでした。ただ、ガリレオはのちに土星の環と判明するものを見つけたものの、それが環であるとまではわからず、「土星は3つの星でできている」と言ったそうです。

その後、1655年にクリスティアーン・ホイヘンスが観測し、土星が環に囲まれていることを発見しました。

さらに、1675年、ジョバンニ・カッシーニが土星の環に隙間があることを発見し、これがのちに「カッシーニの間隙(かんげき)」と呼ばれることになります。

科学や望遠鏡の進歩とともに土星の環について様々な観測がされていきますが、1977年に打ち上げられたボイジャー1号、2号は土星付近を通過する際に土星の撮影を行いました。

さらに、1990年にはハッブル宇宙望遠鏡が打ち上げられ、宇宙空間からの観測をも可能にしたのです。

 

こぶた
宇宙に行けるようになったのは最近のことなんだね!
ぶたちく先生
まさに学者たちのリレーといえる。次はごく最近まで土星を探査していたカッシーニのお話だ

土星探査機「カッシーニ」

1997年、NASA(アメリカ航空宇宙局)、ESA(欧州宇宙機構)が共同し、土星探査機「カッシーニ」を打ち上げます。

2004年、土星の軌道に入ったカッシーニは、土星の衛星を見つけるなど、たくさんのデータを収集し、すばらしい実績をあげます。

さらに、土星最大の衛星であるタイタンに、搭載していた探査機「ホイヘンスプローブ」を放出し、ホイヘンスは無事土星に着陸します。

肝心の環について、カッシーニの観測データから土星の環が今から約1000万年前から1億年前までにできたことがわかりました。意外と最近だと思いませんか?

2017年4月のカッシーニ最後のミッションでは、土星本体と環の間を何度も通過し、土星に関する貴重なデータを観測しました。

そして2017年9月、カッシーニは任務を終え、土星の大気圏に突入し燃え尽きたのです。

 

こぶた
カッシーニ・・・かっこいい!
ぶたちく先生
宇宙探査は失敗もとても多い。でも学者とカッシーニは20年間やり遂げたんだ!
こぶた
探査機には昔の学者の名前をつけたんだね!
ぶたちく先生
現代の学者から昔の学者へのすばらしいリスペクトだ!

最後に

いかがでしたでしょうか。

今さらですが、環を持つのは土星だけではありません。目立たないながらも、木星、天王星、海王星にも環があることがわかっています。

ただ、土星も含めて「環」のことはまだまだわからないことだらけ。さらに宇宙そのものが不思議なことだらけなのです。

いまだに残る「環」のいろいろな不思議を、人間の知恵がいつか解明するはず!と、イチ天文ファンとして気長に待ちたいと思います。