今日のテーマは身に覚えがない人はいないと思います。
言い合いになったときに論点をずらすということ。
コレに気付かない人は口げんかが弱いかもしれません・・・
逆に、知らぬ間に「論点をずらしてしまっている」ということも少なくないでしょう。
今回は、皆さんが「建設的なケンカ」(?)ができるように、できるだけ避けたい論法を取り上げてみました。
対人論法(TAIJIN)
こぶた君!今日は僕が実験の片付けをしておくよ!
先生・・・何言っているの?先生みたいに太っている人にちゃんと片付けなんかできるわけないでしょ?
うん・・・
まずは全ての太っている人ごめんなさい。
こぶた君は演じているだけです。
ちなみに僕は太っています。
今回のこぶた君の話に納得できた人はいますか?
普通の日常生活でいえば、
夫「今日は洗濯物たたもうか?」
妻「何言っているの?洗濯機使えないのにあなたにできるわけないでしょ?」
みたいな感じです。
身に覚えありませんか?
これ何が問題かというと、洗濯機使えない人って、洗濯物たためないっけ?っていうところです。
そう、関係ないんです。
このように、相手が主張していることではなく、相手の性質などに対して攻撃して、相手の主張を退けることを、「対人論法」といいます。
人格攻撃の一つで、議論の評価ではなく、相手の固有の関係ない部分を評価することです。
もちろん論点のすり替えですので、政治家など意味のある議論を行うべき人たちがこのような論法を使うことは論外です。
しかし、日常生活で「あんなことすらできないのに、こんなことできるわけない!」って思うことって結構ありますよね。
というわけで一概に悪いとは思わないのですが、一つ覚えておいてください。
対人論法を使うということは、相手の主張に反論できない!ということです。
だって相手の主張に反論するだけなら、相手の人格を攻撃する必要がありませんからね。
藁人形論法(WARANINGYO)
ぶたちく先生!先生なのに授業中にチョコレート食べるのやめてよ!生徒たちが困ってるよ!
いいじゃないか!チョコレートぐらい!大して臭いもしないし、食べてるのだって生徒のシンキングタイムだけだろ!言っとくけど、こぶた君が食べてる弁当の方が臭いじゃないか!なんで弁当に納豆もってくるんだよ!
すみません、また一般化しますね。
妻「タバコやめてよ!まだ子供も小さいし、お金ももったいないじゃない!」
夫「いいじゃないか、自分の小遣いだろ!じゃあお前もコンビニスイーツ買うのやめられるのかよ!」
奥さんは健康面と金銭面の問題でタバコをやめて欲しいと言っているのですが、旦那さんは「嗜好品」が良くない、という問題にすり替えていますね。
これも論点のすり替えの一つで、発言者の主張を単純化したり、全く別の極端な論点を作り出して、それを非難することで、「藁人形論法」と言われるものです。
このような場合は、論点がすり替わっていることに気付けるかどうかが勝負です。
気付くわ!って思うかもしれませんが、このような言い合いの場面は、お互いに熱くなっていることが多いので、気づくことは非常に難しいです。
気付いたら相手に言いましょうね、「そんな話してないわ!」っていうことを優しく。優しく・・・これがポイントです。
お前だって論法(OMAEDATTE)
こぶた君、絶対に一つたこ焼き多く食べたよね?
ぶたちく先生だってフライドポテト半分以上食べたでしょ!僕が欲しいって言ったのに!
こぶた君だって同じじゃないか!僕がじゃあたこ焼きも食べようって言ったんだよ!だいたい本当はお肉がたべたかったのに君がフライドポテトって・・・
ぶたちく先生だって・・・
一瞬で伝わる不毛感ですが、一般化してみます。
妻「もう!ものを出したら片づけてよ!」
夫「お前だってこの前マンガ読んで出しっぱなしだったぞ!」
同じような経験、皆さんも絶対ありますよね・・・
名前を聞いただけで内容がわかり過ぎてしまう「お前だって論法」です
これは、以前の自分のミスを指摘されているので、言われてしまうととっさに反論できないですよね・・・
でも待ってください。
論点ずらされてますから!
もちろん、奥さんが以前に漫画を片付けなかったことはダメなことだと思います。
でも今話しているのは、今の旦那さんがモノを片付けないことです。
これは相手の攻撃をブーメランのように相手に返すことなので、一見見事とも思えます。
でもこの戦いって終わらないんです。
ミスしない人などいないのですから。
奥さん側も旦那さん側も「相手が失敗することがある」という前提を常に持っておくことが大事です。
相手を注意するときは、自分をも律する気持ちを持てたらいいのかなと思います。
最後に
皆さんは身近な人と喧嘩しているときに
「あれ、もともと何でケンカしてたっけ?」
っていう時ありませんか?
多分その時って、自分か相手のどちらかが論点をずらしています。
素直になれたらそんなことも起きないのに、身近な人ほど素直になれないという厄介な現象です。
ここまで書いてきたものの、うまい防ぎ方もわからないです。
人間は複雑ですね。
どうかみなさん、せめて相手を傷つけるところまでいかないように気をつけましょうね。