水族館に行ったら、皆さんはどの生き物を見たいですか?
とある人気ランキングによると
1位がイルカ
2位がペンギン
3位がクラゲ
だそうです。
本日取り上げるのは2位のペンギン。
短い足でトテトテと歩く姿に癒される方も多いのではないでしょうか。
「ペンギンのお散歩」みたいな時間があって、水族館内を列をなして歩く姿は本当にかわいいですよね。
そんな大人気のペンギンにもまだまだ知られていないことがたくさんあります。
今回はペンギンについてまとめてみました。
1位のイルカを取り上げるんじゃないんだね・・・
まぁ・・・次の機会にしようかな・・・
目次
ペンギンは海鳥の仲間
ペンギンは「飛べない鳥」の代名詞。
鳥類であることは皆さん知っていると思います。
大きく見ればカモメやペリカンと同じ海鳥の仲間になります。
世界中にペンギンの仲間は18種類いますが、日本の水族館では11種類のペンギンに出会えます。
大きさは種類によって本当に様々です。
一番小さな種はコガタペンギンで約40㎝程度、体重は約1㎏。
反対に最大種はコウテイペンギンで約120㎝程度、体重は20~40㎏です。
すでに絶滅していますが、約3000~4000万年前には、体長約1.5mほどのジャイアントペンギンの化石も見つかっています。
ジャイアントペンギンは人間と変わらない大きさなんだね!
そうだね!でもペンギンは大きくなっても可愛い感じがするから不思議だよ・・・
ペンギンの生息地域
ペンギンは寒い地域に生息するイメージがありますが、実際どこに生息しているのでしょうか?
南半球しかいない
原則として、ペンギンは北半球には生息していません。
ペンギンは南半球に生息しています。
唯一の例外はガラパゴスペンギン。
その名のとおり南米エクアドルの西に位置するガラパゴス諸島に生息するペンギンで、唯一熱帯に適応したペンギンです。
赤道直下のガラパゴス諸島は一部が北半球にかかっています。
そのため、ガラパゴスペンギンは唯一北半球にも生息するペンギンというわけです。
ペンギンが南半球にしかいないのは、赤道付近にペンギンの餌が少なく、赤道を超えて北に行けなかった、というのが理由の一つのようです。
だから、北半球にしか生息しないシロクマと南半球にしか生息しないペンギンは出会うことがないんだ!
温かいところにも生息する
ペンギンは南極などの寒い地域に生息している、というイメージはありませんか?
しかし、先ほど挙げたガラパゴスペンギンのように、温かい地域に生息する種も多くいます。
ガラパゴスペンギンの他にも、
南アフリカに生息するケープペンギン。
ペルーやチリに生息するフンボルトペンギン。
オーストラリアやニュージーランドに生息するコガタペンギン。
これらは温帯地域に生息するペンギンです。
ペンギン=寒いのが好きという認識も改めたほうがいいかもしれませんね。
これらのペンギンが異国の動物園に来ると、寒くてストーブに近づく姿も見られています。
ペンギンと氷ってセットのイメージがあるけど、そうでもないんだね!
やっぱり南極にいるイメージはあるからね!
ペンギンという名前の由来
ペンギンはなぜ「ペンギン」という名前なのでしょうか?
そんなものはそう名付けたからだろうが
と怒られそうですが経緯があるのでご紹介します。
もとは別の生き物の名前
ペンギンという名前はどこから来たのでしょうか。
もともと、ペンギンという名前は別の生物を指した言葉でした。
それは、ペンギンによく似た動物で、かつて存在した「オオウミガラス」
オオウミガラスは北極など北半球に存在した海鳥です。
これはイラストですが、写真で見ると、これはもうペンギンではないのかと思うほどよく似ています。
このオオウミガラスもペンギンと同じで、空を飛べずに、泳ぐことができるという特徴をもつ海鳥でした。
そしてややぽっちゃりした体型・・・
諸説ありますが、こうして付けられた名前が「太っちょ」を意味する「penguigo」。
これに英語が混ざり、オオウミガラスは「ペンギン」と呼ばれるようになったのです。
他にも「白い頭」を意味するウェールズ語が語源という説もあるよ!
ペンギンの名前は北から南に
さらに、ヨーロッパ人はオオウミガラスによく似た生物を南半球でも見つけます。
ヨーロッパ人はオオウミガラスの仲間だと思い、その生物も同じように「ペンギン」と呼びました。
これが今のペンギンですね。
一方、北半球のオオウミガラスはもともと繁殖力が低い上、人間に乱獲されます。
こうして19世紀中にはオオウミガラスは絶滅。
ペンギンと呼ばれるのは現在のペンギンだけになったのです。
こうして、ペンギンは、南半球のペンギンだけを指す言葉になりました。
元祖ペンギンのオオウミガラスは羽毛や脂を取るために乱獲されたんだって・・・
絶滅危惧種は保護されると、逆に価値が上がって密猟などが横行してしまうんだ・・・
特徴
次はペンギンの特徴についてお話しします。
種による差があり、全てに共通することばかりではありませんのでご注意を!
アレは手なのか翼なのか
歩くときに広げるアレは翼です。
やっぱりペンギンは鳥なのです。
ペンギンの翼はフリッパーと呼ばれています。
ペンギンは普通の鳥と違い、水中を泳ぎます。
そのため、フリッパーは非常に筋肉質で、丈夫にできています。
特に、陸に上がるときにはペンギンは水中から勢いをつけて一気に飛び出しますが、その時にフリッパーはなくてはならないものだそうです。
フリッパーは筋肉質だから、あれでペチペチされるとすごく痛いらしいよ!
昔、ペンギンは空を飛べた
ペンギンは、その骨格から、昔は間違いなく空を飛べたと考えられています。
しかし、
①ペンギンの餌となる魚などが海中にいること。
②ペンギンが生息する南半球は海が多い
(北半球は海は60%、南半球は海は80%)
③飛ぶよりも泳ぐ方が楽
という理由から進化の過程で飛べなくなり、泳ぐようになった、と言われています。
鳥が飛ぶのを捨てるっていうのもすごいですよね。
ちなみに、ペンギンのように飛べない鳥はそんなに珍しくありません。
以前にご紹介したダチョウも飛べない鳥として有名です。
そうなんだ・・・でもなんか想像できないね・・・
泳ぐスピード
空を捨てて海に生きることを決めたペンギン。
しかし、泳ぎがめちゃくちゃ速いかというとそうでもありません。
例えば、フンボルトペンギンの平均的な速度は時速3.4㎞
最高速度は約11㎞と言われています。
ちなみに人間の最高速度は時速8.6㎞らしいです。
楽しく泳ごうという感じなら人間も一緒に泳げそうですね。
最速はジェンツーペンギンの時速35㎞。
とはいえ、これでも天敵のシャチやヒョウアザラシから逃げ切ることは難しく・・・
自然界の中ではやはり速い方ではないようです。
ペンギンの天敵のシャチは時速60㎞ぐらい、ヒョウアザラシは時速40㎞ぐらいで泳ぐことができるよ!
足は短いわけではない
ペンギンの足は短い、というイメージがありますよね。
しかし、ペンギンの足は決して短くありません。
ペンギンの体で皆さんが足と認識しているのは人でいうところの足の甲やかかとの部分だけ。
その他の大腿部、スネは羽毛に隠れて見えないだけなのです。
実際、体全体の4割ぐらいがペンギンの足部分になっています。
ただ、大腿部とスネは直角で固定されており、足を縦に伸ばすことはできません。
確かに足の甲だけ見られて、足が短いって言われたらちょっと意味わからないよね・・・
フリッパーをパタパタして歩く理由
ペンギンは歩くときにフリッパーをパタパタさせますよね。
これにも理由があります。
ペンギンの骨格の足部分は歩くためには非常にバランスが悪い構造。
歩くときにフラフラしてしまいます。
そのため、両方のフリッパーを広げてバランスをとらないといけないのです。
そもそも鳥の骨格で、次に選んだのが水中だから歩くのは一番不向きかもしれないね!
ファーストペンギン
ビジネス用語として知られる「ファーストペンギン」という言葉。
ペンギンは仲間についていく習性があるため、最初に海に飛び込んだペンギンに続いて海に飛び込みます。
この最初に海に飛び込むペンギンの勇気と、新しいことにチャレンジする起業家を重ねた言葉です。
しかし、実際のペンギンはそうでもないそうで・・・
海に天敵がいないか確認するために仲間から突き落とされたペンギン
若しくは
海面付近を歩いていてバランスを崩して海に落ちたペンギン
がファーストペンギンという説もあるそうです。
少なくとも、ペンギンの世界にはリーダーという概念がありません。
つまり、海に落ちた、または落とされたペンギンにみんなが続くというのが定説のようです。
敵がいないかどうか確認するために仲間を突き落とすの・・・?
まぁ・・・説だからね・・・
最後に
今回はペンギンを取り上げましたが、いかがでしたか?
1つでも学びになることがあれば嬉しいです。
もし水族館に行く機会があれば、ゆっくり眺めてみて下さいね!
参考HP:「ペンギンの達人」