科学の進歩とともに、軍事兵器はどんどん進化していきます。
戦争が科学を進歩させたと言われるほどです。
しかし、歴史上「なぜ?」と疑問が止まらない兵器もあります。
命懸けの戦場で使う兵器がそれでいいのか・・・
研究者や開発者にも焦りがあったのでしょう。
今回は、特に不思議な兵器たちをご紹介できればと思います。
兵器におもしろいとかあるの?
有事の際は時間がなかったり研究費がなかったりするもの・・・実際に見てみよう。
おなら爆弾
いきなり嘘みたいですよね・・・
しかし、実際に第二次世界大戦末期からアメリカで研究されていた兵器です。
目的は「敵を傷つけることなく、士気を下げること。」
そこで考えられた兵器の一つがこの「おなら爆弾」です。
爆発するとおならの強烈な臭いを放ち、単純にクサいだけではなく、「誰が屁をこいたんだ!」と敵が互いに疑心暗鬼になり、戦わずして勝利する、というものです。
この研究は1990年頃まで総額8億円程度を投じられました。
しかし、試行錯誤の末、「おならのにおいでそこまで混乱が起きることがあるだろうか?」との意見が出て、実用化には至りませんでした。
しかし、この研究が評価され、2007年、アメリカのオハイオ州にあるパターソン空軍基地は「イグ・ノーベル賞」を受賞しました。
気づくのが遅ぇよ・・・!!
ヘルメット銃
第一次世界大戦中、アメリカで発明されたのがこのヘルメット銃です。
ヘルメットに直接銃を取り付け、かぶった人間の目線が照準になるように調整します。
そうすることで、敵を視界に捉えた瞬間に発砲することができ、通常の銃よりも照準にかかる時間を短縮することができるのです。
発砲方法は、ヘルメットにつながれたチューブに息を吹き込むだけで、次弾の装填はオートです。
しかし、発砲時の衝撃で首を痛める可能性が高く、残念ながら実用化はされませんでした。
途中までは調子よかったんだけどね・・・
コカトリス対空火炎放射器
火炎放射器と言えば、通常は前方に放出し、敵をけん制、攻撃する兵器です。
これを、対空用に開発したのが、イギリスの「コカトリス対空火炎放射器」です。
火炎放射器を真上に向けて放出し、敵航空機を攻撃するために開発されました。
しかし、飛行機に火炎を吹き付けるのは難しいだけでなく、火炎放射器の射程距離(最大90メートル程度)の高度まで敵の飛行機は降りてきません。
そればかりか、地上に火の粉が降りかかり、味方も一緒に燃える可能性があり実用には至りませんでした。
どっちかというと、マイナス効果だね・・・
怪力光線
ついに我が国日本の兵器です!
その名も「怪力光線」!!
はい、ヤバい感じがしますね・・・
第二次世界大戦時、大日本帝国陸軍登戸研究所で研究されました。
これは地上からマイクロ波を目標物に発射、目標を加熱し破壊するという、非常に恐ろしい兵器です。
イメージ的には電子レンジを想像してください。
しかし、この兵器の実験中、数メートル先の小動物を殺傷することはできましたが、完成はしませんでした。
ちなみにこの研究が電子レンジの開発に寄与したという説があるが、多分違います・・・
風船爆弾
これは有名ですよね。
怪力光線に続き、登戸研究所の発明品です。
その名のとおり、気球に爆弾を括り付け、日本から偏西風に乗ってはるばるアメリカ本土へ・・・
アメリカがあまりに遠いため、本土への攻撃ができない日本の唯一の直接攻撃手段でした。
風船も和紙と糊だけでいいのでコストもかからず、なんと9000発の風船が飛ばされました。
そのうち1000発はアメリカに届いたと言われます。
アメリカに到達した風船は小さな山火事を起こすぐらいの効果はあったようです。
ちなみに、アメリカは何が飛ばされてくるかわからないので、結構警戒していたようです。
ちなみに、千葉県に風船爆弾の打上げ基地の跡地がありますので、ぜひ訪ねてみてください。
まぁわからなくはないけど、子供が思いつきそうだよね・・・
ダックフットピストル
18世紀から19世紀頃アメリカやイギリスで研究されました。
この銃は4つの銃口があり、発砲すると4方向に弾丸が飛びます。
複数の敵を攻撃するのに画期的と思われましたが・・・
なぜかこの銃には正面をむく銃口がありませんでした。
そのため、正面の的には攻撃ができなかったのです・・・
どうして銃口を3つにして正面を撃てるようにしなかったんだろうね・・・
パンジャンドラム
パンジャンドラムは第二次世界大戦中にイギリスで開発されました。
一言でいうと「ロケット推進式爆弾車輪」です。
もう面白いですね・・・
二つの車輪で爆弾を挟み、車輪の内側にロケットを搭載します。
ロケットで噴射することで車輪が転がり、敵に向かっていき搭載された爆弾が爆発する、という仕組みです。
しかし、実験ではロケットの力がバラバラのため、横転したり、急に向きが変わって味方の方向に進むなど、散々な結果となりました。
もちろん兵器として採用されませんでした。
Wikipediaにパンジャンドラムの写真や、横転している写真がありますので見てみてください。
ロケット推進式無差別爆弾車輪だったね・・・
ゴリアテ
強そうな名前の武器がきました!
第二次世界大戦中にドイツで開発された遠隔操作式リモコン爆弾車両です。
リモコンでゴリアテを操作し、敵の戦車などに突撃させ、爆発させるのです。
しかし、この兵器には致命的な欠陥がありました。
有線なのです・・・
そのため、敵にケーブルを切られたり、故障も多く、戦場の真ん中で止まったりするなど、あまり活躍できませんでした。
有名なタミヤさんがプラモデルを販売しているので画像を見てみてください。
当時、無線技術でモノを動かすのは難しかったのか、それともコストがかかり過ぎたのか・・・でも惜しい武器ではあるよね
要塞破壊兵器オーボエ
1910年ロシア帝国で計画されたトンデモない兵器です。
ラグビーボールを想像してください。
そのラグビーボールを地面に横に置き、それを大きくしていきましょう。
大きさは
高さ600メートル
幅900メートル
このラグビーボール型兵器どう使うかというと、
時速500キロで転がします。
スカイツリーの高さの巨大な楕円球体が新幹線よりもはやい速度でこちらに転がってきたら・・・
考えただけでも恐ろしいです・・・
でももっと恐ろしいのは、これを考えた人ですよね・・・
どこで作って、どうやって運んで、誰が転がすんだよ!!
ボブ・センプル戦車
第二次世界大戦中のニュージーランド。
1942年、日本がオーストラリア本土を空襲したことを受け、急ピッチで戦車を作ろうとします。
しかし、当時のニュージーランドは自動車を製造することすらままならない国でした。
とりあえず作った戦車は、トラクターに鋼板を貼り、機関銃を装備しただけのもの・・・
見た目的には可愛さすら感じさせます。
ニュージーランド側も「こんなので戦えるわけが・・・」と頭を抱えていましたが・・・
結果的に日本軍はニュージーランドに来なかったため、ボブ・センプル戦車も実戦投入はされませんでした。
戦争にならなくてよかったよね・・・
いかがでしたか?
単純な思い付きから、苦肉の策まで10個の兵器をご紹介しました。
人を殺そうとする兵器とはいえ、笑ってしまうものもたくさんありますよね。
今でも世界中で戦争が起きています。
兵器が開発されるのは仕方ないかもしれませんが、せめて使われない世界になればいいと思います。