人間の目線で世界の生き物を見ていると、なんとも不思議な生き物がいます。
もちろん、彼らから見れば、人間ほど不思議な生き物はいないかもしれませんが・・・
今回取り上げるのはタコ。
好き嫌いがあるのは別にして、日本人にはとても親しみのある海の生き物です。
しかし、その見た目はなんとも奇妙な体をしており、海にいる他の魚類や哺乳類とは一線を画すように感じます。
私も食べろと言われれば喜んで食べますが、触れと言われれば「いや、ちょっと・・・」となるかもしれません。
今日はそんなタコさんについて勉強しましょう。
外国ではデビルフィッシュと呼ばれているとかいないとか・・・
まぁその辺も含めてみていこうか・・・
タコの語源
そもそも論ですが、なぜ日本語で「タコ」という名前になったのでしょう?
タコは漢字で書くと「蛸」。
海にいる生き物なのに虫編ですよね。
まず、タコという言葉の語源は、足が多いという意味で「多股(たこ)」だったと言われています。
また、「蛸」という漢字は、本来「アシダカグモ(足の長い蜘蛛)」を意味する漢字です。
これが海にいるタコにあてがわれました。
つまり、タコは「海に住む蜘蛛」という意味で「海蛸子」と表され、それが省略されて「蛸」という感じに落ち着いたのです。
確かに蜘蛛もタコも足が8本という共通点がありますね。
虫編なのも納得です。
その他、タコの漢字は「鮹」や「章魚」とも表されます。
個人的には「鮹」が一番しっくりきますが、一般的なのは「蛸」という漢字になっていますね。
タコっていう名前も独特だけど、ちゃんと意味があったんだね!
海に住む蜘蛛っていうのは納得する理由だね!
タコの体
冒頭で触れたように、タコの体はとても不思議。
足が8本あるのはもちろんのこと、実はそれだけではありません。
タコの体の不思議なところをまとめてみました。
足は8本
まぁ何を今さら感がありますが・・・
イカと同じで「頭足類」に分類され、頭から足が生えています。
上の丸い部分が胴
目や口がある部分が頭
足は足です。
ちなみに、タコの足は「腕」とも表現されます。
英語でタコをオクトパスといいますが、これはギリシア語で8を意味する「オクト」と足を意味する「パス」から来ています。
日本も外国も足から名前が付けられているので、タコの最大の特徴であることを表していますね。
タコは足を再生できるけど、その時に枝分かれすることがあるんだって!鳥羽水族館には96本足のタコの標本があるよ!
心臓は3つ
ここからビックリの連続です。
タコやイカなどの頭足類には心臓が3つあります。
まず1つ目は我々人間と同じように、全身に血液や酸素を送るための心臓。
残り2つは「鰓(えら)心臓」と呼ばれるものです。
タコにエラのイメージはあまりありませんが、もちろんタコはエラ呼吸をしています。
そして、そのエラに血液を送るためだけの専用の心臓があるのです。
2つのエラにそれぞれの心臓。
これで計3つの心臓です。
なぜ、心臓が3つもあるのでしょうか?
後述しますが、タコの体はそのほとんどが筋肉でできています。
この筋肉の使い方は後で触れるとして、この大きな筋肉を動かすためには大量の酸素が必要。
大量の酸素を供給するために、エラに専用の心臓があるのです。
タコやイカの他には、深海生物のヌタウナギも心臓が3つあるよ!
脳は9個
タコの体の不思議は止まりません。
なんと、脳は9個です。
9と聞いて何となく予想がつく方もいるのではないでしょうか?
まず1つ目はどの動物にもある本来の脳です。
この脳は胴部分に存在し、全身だけでなく、他の脳に対して命令を出します。
残り8個・・・
数から想像できるとおり、足の付け根にそれぞれ脳がセットされています。
メインの脳が各足の脳に指令すると、それぞれの脳は担当する足に動きを指示します。
タコの脳はトップダウンシステムなのです。
足の付け根の脳は8個あるけど、とても小さいんだ!
全身の90%が筋肉
タコの体はほとんどが筋肉でできています。
その割合なんと90%。
体の構造が違うため、一概には比較できませんが、人間の筋肉量は多い人でも4割程度。
圧倒的なマッチョです。
タコはこの圧倒的な筋力で、泳いだり、二枚貝をこじ開けたり、殻を粉砕したりします。
海の筋力王者なのです。
二枚貝をこじ開けるって・・・すごいね・・・
タコの口はホントは見えない
みなさんは、タコの絵を書くときに目の下に丸く突き出た筒を書きませんか?
でもタコの口は8本の足の付け根にあります。
ではあの口のような筒は何なのでしょう。
これは「漏斗(ろうと)」という器官です。
もちろん口ではありません。
漏斗は移動のための器官です。
タコは漏斗から激しく水をジェット噴射して移動するのです。
見た目だけじゃなくて体のつくりもとても特徴的なんだね!
タコの面白さはまだ続くよ!次の記事を楽しみにしててね!
次回は、なぜタコはこのような体になったのか、タコとイカの違いからさらにタコの特徴を追いたいと思います。
参考HP:ニッポン放送HP