金と通貨の歴史~金よりも信用されるような人間になろう!でも金も大好きだ!~

皆さん、金は好きですか?
「Money」じゃなくて「Gold」、鉱物のほうですよ!
ものすごい偏見かもしれませんが、金が嫌いっていう人はそうそういないと思います。(金属アレルギーの方ごめんなさい!)
でも不思議じゃないですか?
どうして金って価値があるんだろう?
だって、極端な話、鉱物ですよね?
金は昔から価値の基準になるほど、世界中でその価値が認められている点で、ダイヤモンドや宝石とは少し違いますよね。
今回は
金ってどんなものなのか
どうして価値があるのか
ちょっとした通貨の歴史
についてまとめました。
こぶた
金は大好きだよ!なんかもう見てるだけで幸せだよね!
ぶたちく先生
・・・そうだね・・・じゃあまずは金になぜ価値があるのかについて話そうか

なぜ金に価値があるのか

まだ、金に通貨としての機能がない大昔でも人は金に魅了されました。
なぜでしょう?
金に価値がある理由を探る前に、まずは、「金」がどんなものなのか、お話ししましょう。

金の特性について

金の特性はたくさんありますが、今回は、価値を持つ根拠となる特性を挙げましょう。

特性①耐久性が高く、さびにくい

金・銀・銅に共通して言えることですが、腐食しにくい、という特性があります。
中でも、金は特に錆びにくいという特性もあります。
このことは、保管に適している、ということを示しています。
一度手に入れれば、いつまでもきれいに輝く鉱物、これは欲しい人が多いですよね。

特性②加工しやすい

金は加工しやすく、数字を刻み付けたり、打ち延ばすことが簡単にできました。
また、「精錬」という純度の高い金をとりだすことが、昔の技術でも可能でした。
つまり、金は装飾品等に加工しやすかったということになります。

特性③ほどほどに希少

これがめちゃくちゃ入手困難であれば、大昔の人も金の存在に気づかなかったかもしれません。
しかし、川でとれるキラキラした砂金。
とれる量は少量でも採取は可能なので、権力者は金を独占しようと試みました。
このような希少性が金の価値に大きな影響を与えていることは間違いないでしょう。

金大好きな人間の歴史

では、人間はいつ頃から金に価値があると考えたのでしょうか?

シュメール人(紀元前3800年頃)

まずは、紀元前3800年頃のシュメール文明の頃です。
シュメール人は自分たちが「アヌンナキ」という神々によって作られたと信じていました。
そしてアヌンナキは、金を採掘するために地球にやってきた、と信じたのです。
金を採掘するために地球に来た神々・・・金は価値があったということですよね。
ただ、シュメール人についてはわかっていないことも多く、謎だらけです・・・

ツタンカーメン王(紀元前14世紀頃)

有名なツタンカーメン王。
エジプト史がわからなくてもこの名前を知っている、という人も多いでしょう。
そして、ツタンカーメンがかぶっていたのは黄金のマスクです。
この黄金のマスクは、ナイル川上流で産出されたもので、当時のファラオ(王)が金を独占していました。
そして、黄金のマスクをつけた状態で、ツタンカーメンは棺に入っていたのです。
なお、この頃のエジプトは貨幣制度ではなく物々交換だったので、金が貨幣になることはありませんでした。
しかし、少なくとも紀元前14世紀のエジプトでは、すでに金に特別な価値があった、ということになります。
こぶた
どっちかというと装飾品とかの利用価値があったんだね!でも時代劇の小判とかはいつからなの?
ぶたちく先生
いい質問だ!ここで話した金の特性が、通貨としての金の適性でもあるんだ!

金と通貨の歴史

金がどのような金属で、なぜ価値があったのかを理解できたと思います。

では、次に金が通貨の役割を果たしてきたことについて寸劇を交えてお話しましょう。

歴史①物々交換から貨幣の誕生まで

話は大昔です。
ぶたちく先生
ねぇこぶた君!ボクの鶏10匹と、君のお米30㎏を交換してくれないか?
こぶた
OKだよ!
人と人は必要なものについて物々交換を行っていました。
取引もスムーズにできたようです。
でもちょっとぶたちく先生、お米30㎏持って帰るの大変そうですね・・・
ぶたちく先生
はぁ・・・4時間も歩いてきたのに・・・帰りはお米を担いで・・・ハァ・・・ハァ・・・
そもそもお米を何回かに分けて買えたら・・・
やさしいこぶた君は考えました。
こぶた
君の鶏10匹とこの貝殻10個を交換しない?貝殻1個につきお米3キロと交換するよ!そうすれば楽だよね?
ぶたちく先生
ありがとう!すごく助かるよ!!!
ぶたちく先生、よかったですね!
ここでいう「貝殻」が通貨の始まりです。
実際に中国では貝殻が通貨としての役割をしていた時期があります。
漢字に「貝」が入ると財産やお金の意味を持つのはこのためですね。
ぶたちく先生
こぶた君!今日は貝殻をもってきたよ!お米と交換してくれないか?
こぶた
えー??いらないよー!!
ぶたちく先生
そんなぁ・・・
こういうこともあり得ますよね?
貝殻は手軽ではあったのですが、価値がないことが問題でした。
「誰もがそれ自体に価値があると考えるもの」が必要だったんですね。
ここで金、銀、銅が登場するのです。
最初にもどりましょう。
ぶたちく先生
ねぇこぶた君!ボクの鶏10匹と、金10gを交換してくれないか?
こぶた
OKだよ!
そして、お米が欲しくなったら、金をもってこぶた君のところに行けばいいのです
こぶた君はもちろん「いやだ!」なんていいません、だって金ですから!
つまり、金がもっている価値をみんなが共有しているから成立することなんですね。
ここでさらに、金が持っている特性が生きてきます。
①耐久性が高い→保存がきく=貯金しやすい
②加工しやすい→重さの調整がしやすい=金貨にできる
③ほどほどに希少→価値を維持したまま、流通も確保できる
完璧ですよね!
このようにして、貨幣は誕生したのです。
しかし、さらに問題は続きます。

歴史②経済規模の拡大と金本位制

経済規模が大きくなってくると、今度は流通している金や銀が足りなくなります。
そうなると金の価値が上がってしまい、流通貨幣としての利用が難しくなるのです。
だってそもそも金自体が希少なのですから・・・
そこで、こんな制度が始まります。
「金本位制」
どんなものでしょうか?
例えば、こぶた王国があると考えてください。
ふざけてるんじゃなくて、実際の国で考えるとややこしいので・・・
①まず、こぶた王国政府が金を準備して保有します。
②そして、国民たちの間には、その金交換券を発行します。
「この交換券を持ってくれば、金1グラムと交換しますよ。」
というものですね。
こぶた王国の政府がこの約束を守るのであれば、この交換券には価値がある!
ぶたちく先生
交換券1枚持ってきたので、お米10キロください!
こぶた
毎度ありー!!
さらに、今度こぶた君は野菜を買う時に、この交換券をまた使います。
ね、この交換券が流通していますよね。
この交換券を「兌換(だかん)紙幣」といい、これが紙幣の始まりです。
この制度の大事なところは、
だれもが「金には価値がある!」と考えていること
「政府は金と紙幣を交換してくれる!」という政府への信用がある
ことです。
すごく長くなりましたが、これが金本位制度です。
金のすごさがわかりますよね!
こぶた
こうやって見ると、貨幣の流通って色々考えられてきたんだね!
ぶたちく先生
その通り!金や銀がこの世界になかったら、どうなってたかわからないね!

最後に

金と通貨のお話いかがでしたか?
日本は大昔、物々交換の基準として、稲(いね)が使われていたそうです。
「値段」の「値(ね)」は稲の「ね」が語源と言われています。
さらに、日本も金貨、銀貨、銅貨を使っていたから、「お金(かね)」というようになったと言われています。
ヨーロッパでは何とかして、この金を人工的に作り出そうとしたのが「錬金術」です。
この錬金術も途中から呪術のように変わったといい、人間の欲望が垣間見えておもしろいですね!
ちなみに金は今も投資対象であり、経済が弱い時期は、投資対象としてお金が流れる資産の一つでもあります。
今も昔も金には価値がある、ということですね!