今は当たり前にあるものがない時代。人々はどのように生活していたのか。
今回はトイレットペーパーのお話です。
皆さんは、海外旅行をしたときに、現地のトイレを見て固まったことはありますか?
・なぜかバケツが置いてある。
・トイレットペーパーは使用後流さずゴミ箱へ。
・洋式便器なのに便座がない。
・そもそも丸見え。
「どうすればいいのだ…」と答えが見えない時もあるでしょう。
日本はトイレ先進国。外国人旅行者は日本のトイレに感動するそうです。
ではトイレットペーパーのない時代はどうだったのでしょうか。
海外旅行の時にトイレってめちゃくちゃ気になるよね・・・
文化の違いが大きいけどね。でも日本では長い間木の棒を使ってたんだよ!
えー?!!
※この記事は諸説ある中の一つですので気軽に読んでね!byぶたちく先生
木を使っていた日本
トイレットペーパーのない時代、日本人はもともと、葉っぱや手をつかってお尻についたウンコを拭きました。
まぁなんとなく予想できますよね。
しかし、奈良時代になると「籌木(ちゅうぎ)」と呼ばれるものを使うようになります。
籌木は細い木の棒なのですが、この籌木の役割は主に2つ。
①ウンコの時に、この籌木を支えにして踏ん張り、ウンコを勢いよく出すことで、お尻の汚れを最小限にする。
②それでも汚れてしまった場合に、お尻のウンコを掻き落とす。
万能ですね。通称名はそのまま「くそべら」です。
くそべら・・・ウンコを勢いよく・・・
今では想像できないが、考えられない手段ではないね。ものごとには必ず道理がある。次は使われる理由を考えてみよう。
なぜ籌木を使うようになったのか
古来、日本では川に直接ウンコをしていました。
トイレを「厠(かわや)」というのもその名残と言われています。
そうすると、ウンコをした後、川の水でお尻を洗ったり、川のそばの手軽な葉っぱでお尻を拭くことができました。
しかし、時代は進み、平安時代になると、屋内にトイレができます。
そうすると、これまでのように、川の水や葉っぱの利用が手軽にできなくなったのです。
結果として、あらかじめ屋内に準備できる籌木を使うようになった、といわれています。なんだか理由もしっくりきますね。
ちなみに籌木は何回かは洗って再利用したり、川に流して処分していたとのことです。
当時は人の排泄物は貴重な肥料。そのままトイレに捨ててしまうと邪魔ですから・・・
12~13世紀頃から紙で拭く習慣が生まれますが、当時まだ紙は高級品。
籌木はそのあとも利用され、地域によっては第二次世界大戦後ぐらいまで、使用されていました。
お尻ケガしたりしないのかな?
もちろん、トゲがでたりしなくて肌触りのよいものを選んだよ!
海外はどうだったのか
中国
中国は紙でお尻を拭く文化が早いです。
ちなみに851年にアラブ人の旅人が中国を訪れ、「ウンコの後、水で洗わず紙で拭くとはなんて不潔な人達だ」と記録を残しています。
それでもお尻を紙で拭けたのは、皇帝、富裕層などごく一部だったと思われます。
中国は紙を発明した国。それでも当時、やはり紙は高級品でした。
古代ローマ人
海綿(スポンジ)をつけた棒をトイレに設置していました。スポンジは塩水につけておきます。
想像にたやすいですが、ウンコの後、そのスポンジでお尻を拭きます。
終わったら、次の人のためにまた塩水につけておくのです。
つまり共用です。
インド
今でも変わっていない方法ですが、ウンコの後、左手でお尻を拭きます。
そしてその左手を洗うのです。
インドで左手は「不浄の手」と呼ばれていますね。それもあり、インドで左手で握手すると敵意があるとみなされることがあるそうです。
くれぐれも気を付けましょう。
イギリス
イングランド王ヘンリー8世には便所担当がいました。
便所担当の仕事は王様がウンコをした後、お尻を素手で拭いて差し上げる、というものです。
誰にでもお尻は任せられん!ということで、信頼の厚い臣下が選ばれ、とても名誉ある役職だったそうです。
その他
アメリカ人は食後のトウモロコシの穂先、つまりとうもろこしの芯の部分を使用しました。
イヌイット族は洗うための雪を常に携帯し、砂漠の民は砂でお尻を拭きました。
エジプトは石でお尻を拭いたといわれています。
そのほかロープ、海藻等それぞれの国・地域・民族によってさまざまな文化がありました。
国によってこんなに違うんだね・・・
大事なのは文化や考え方の違いを知ることなのさ!
最後に
現在、トイレットペーパーを使用する人は世界の2分の1程度と言われています。
それぞれ、文化の違い、考え方の違いがあり、何がいいか悪いかということではありません。
現代の日本人が海外旅行に行ったときにトイレを見て固まることがあるように、
大昔に日本きた外国人は籌木を見て固まったのかもしれませんね!
郷に入っては郷に従え。文化には敬意を払いましょう!