行動経済学①~合理的に生きられない!でも人間らしさが好きだ!~

皆さんは「行動経済学」という言葉を聞いたことがありますか?
比較的新しい研究分野ですが、実際どんなものかよくわからない、という人も多いでしょう。
行動経済学の応用と知らず、生活の中で利用していたり、もしくは行動経済学を利用して行動を誘導されていることはとても多いです。
今回は、この行動経済学についてまとめてみました。
こぶた
誘導されている!?
ぶたちく先生
おちついて!とりあえず、行動経済学がどんなものかから始めよう!

行動経済学とは

「経済学」と聞いて、小難しいと感じる人は多いでしょう。
定義が難しいですが、ここではすごく簡単に「生活の仕組みに関すること」ぐらいにしておきましょう。
ただ、この経済学には一つ大きな問題がありました。
実は経済学は「人間が合理的に行動すること」を前提としているのです。
でも現実を見て下さい。
あなたはいつも合理的な行動をしますか?
例えば、宝くじの購入。
年に数回ある「ジャンボ宝くじ」の期待値は約150円程度です。
宝くじの金額は300円なので、合理的に考えれば、宝くじは買うことによって損する確率が非常に高いのです。
でも、実際は、多くの人が夢を追いかけて宝くじを購入します。
他には、株式投資をされる方は、「損切り」という言葉を御存じでしょう。
損切りとは、損失が生じている株式などを売却し、損が増えないようにすることです。
投資の世界では、損切りすることはものすごく重要なのですが、これがなかなかできないのです。
「今は下がってるけど、すぐに上がるんじゃないか?」
「せめてトントンになってから・・・」
手に汗を握りながら、増えていく損を眺める・・・
もちろん、考えて予測を持ったうえで、保有する、という場合はいいと思います。
しかし、根拠もなく希望だけで損切りできない人は非常に多いです。
さらなる下落を警戒し、売却して少しでも多く資金を残して、別の株式に投資する、というのが合理的な場合が多いですね。
このように、人間は「必ずしも合理的な生き物ではない」のです。
そうなると、既存の経済学では説明のできないことも出てきます。
そこで登場したのが行動経済学です。
行動経済学とは、人間の心理や感情などの「非合理性」に着目し、現実的な分析を行うものです。
次からは、その具体例につき、お話ししましょう。
こぶた
わかってるんだ!宝くじが当たらないって・・・でも買っちゃうんだ!夢見たっていいじゃないか!!
ぶたちく先生
いやいや・・・合理的じゃないだけで買っちゃダメって話じゃないからね・・・

ヒューリスティック

ヒューリスティックとは、自身の経験や先入観をもとに、直感的にある程度正解に近い答えを得る方法です。
はい、意味わからないですね・・・
すごく簡単にいうと「経験則」です。
経験則で判断することってすごく大切で、人間が全ての事象に対して論理的に頭を使い続けると脳にとんでもない負担がかかります。
だから、自分にとってさほど重要でないことは、経験則から瞬時に判断し、脳に負担がかからないようにできているのです。
それではヒューリスティックの具体例に進みましょう。

代表的なものでしか考えない

外国の方は日本語が話せない
銀行員の方は真面目
こんな風に、ステレオタイプで判断することですね。
冷静に考えれば、日本語を話せる外国人の方はいますし、銀行員でも不真面目とまでは言わないまでも、ラフな方もいるでしょう。
例えば、急に外国人の方と対面したときに、思わずカタコトの英語で話しかけてしまう、若しくは会話をあきらめることってありませんか?
これも自分自身の経験則で結果を想定して判断しているのですね。

記憶していることを信用する

例えば、テレビCMで印象に残っていることってありませんか?
インパクトがあったり、耳に残る音楽が流れたり・・・
大昔に流れていたCMを未だに覚えている、という方も多いでしょう。
そして、人間は、記憶に残っているCMの企業や商品、サービスを自然と選んでしまう、という傾向があります。
結果的に、価格や品質について大して考えずに、印象に残っている商品を選んでしまうのです。

フレーミング効果

コマーシャルとかで絶対見たことあると思うのですが、
「10人中9人が効果を実感!」
みたいなやつです。
では、書き方を変えて、
「10人中1人は効果を実感できませんでした」
って書いたらどうですか?
全然印象違いますよね。
このように、同じことを言っているのに表現が変わるだけで印象が変わることを「フレーミング効果」といいます。
さらにフレーミング効果の応用です。
例えば、かっこいい!と思った腕時計が100万円だったとしましょう。
ある時、「本日限り、100万円が70万円に!」と売り出されていたら・・・
お金持ちは別として、70万円の腕時計は高いですよね?
でももともとは100万円だったことが基準となり、70万円が安く感じるのです。
これを「アンカリング効果」といい、実際にお店やウェブサイトで利用される手法です。

極端の回避

これも皆さん見たことがあるかもしれません。
サービスを利用するときなどによくあると思いますが、
・スペシャルプラン
・スタンダードプラン
・ライトプラン
みたいな、松竹梅システムみたいなやつありますよね。
この3つのサービスのうち、店側が売りたいものってどれかわかりますか?
答えは「スタンダードプラン」です。
人間は極端を嫌う傾向があります。
このような3択にすることによって、真ん中を選ぶ可能性が高くなるのです。
これは特にサービスを提供する店舗などで、よく採用される方法です。
こぶた
すごく身に覚えがあるよ・・・
ぶたちく先生
自分が大事だと思う時にちゃんと考えられていれば大丈夫だよ!

次回に続く

次回は行動経済学の続きです!