怒りを支配しろ!~アンガーマネジメント「暴走する自分にさよならを」~

みなさんは怒ったあと後悔したことはありますか?
恋人やパートナーに怒ってしまった
友人に怒ってしまった
電話で怒ってしまった
自分に怒ってしまった
怒ってしまうこと、誰にでもありますよね。
「怒る」ことは感情ですから、誰にでもあります。でも、「怒り」が暴走して、抑えられない状態にはなりたくないですよね。
怒りが暴走すると、大切な関係がギクシャクしたり、自分の気持ちや体がとても疲れてしまいます。
誰でも持つ「怒り」という感情をコントロールして、逆にポジティブに利用する。
それを「アンガーマネジメント」といいます。
今回はそれを少しご紹介しましょう。
ぶたちく先生
なんてことだ!!許せない!!
こぶた
どうしたの?ぶたちく先生!
ぶたちく先生
大福を10個買ったのに、9個しか入ってないんだ!あんな店二度といくもんか!

怒りとは何か?怒りは必要か?

怒りの感情は、自分の大切なものを守るためにある、と言われています。
大切なものとは、人や物に限られません。心の安全、プライド、経験・・・様々あるでしょう。
でも、そもそも怒りの感情って必要なんでしょうか?
こんな場合を想定してみましょう。
「自分の大切な人が、第三者から暴力を受けそうになっている」
男性であれば、自分が前に出ようとするでしょうか?
女性であれば、近くの人に助けを求めるでしょうか?
これらは、両方とも大切な人を守るための行動です。
こういった行動が、怒りがある時とそうではない時、なんか差ができそうじゃないですか?
人間は、怒りや恐怖に対する反応で緊張が高まると、普段よりも行動や判断が早くなったり、思い切った行動をとることができます。
漫画やアニメでもありますよね?主人公が怒りでめちゃくちゃ強くなるって。

 

暴力の例だけではありません。
例えば、イヤなやつがいたとして「お前はでんぐり返りもできないのか、ノロマめ、全然だめだな!」と言われたとしましょう。
言われた子が、怒りで「見返してやる!!」と言ってできるようになるまで猛練習する。

 

これらは、結果的に怒りのおかげで、火事場の馬鹿力を発揮したり、自分にいい影響を与える例だと思います。
このように、怒りの感情は決して不要なものではなく、むしろ、うまくコントロールできれば大きな自分の武器になるのです。
こぶた
9個だと人数分ないんだね?僕が行ってくるよ!
ぶたちく先生
いや、全部僕のだよ!9個だと満足できないからね!
こぶた
・・・そうだよね・・・

怒りの原因

怒りが悪いものではないとしたら、何がダメなのでしょう?
怖いのは「怒りの暴走」ですよね。
では、怒りの暴走を止めるために、怒りの原因を考えてみましょう。
例えば、デートの約束をしていたとしましょう。
相手はデートに遅刻してきました。あなたは怒ります。「どうして連絡してこないんだ!」
この時のあなたの怒りの原因は何だと思いますか?
相手が遅刻してきたことでしょうか?
実はそうではありません。
心理学において、怒りの感情は二次感情と言われています。
あなたは、怒りの前に「怒りに変わる感情」を最初に抱いています。
先ほどの例でいうと
「時間通りにこない・・・相手に何かあったんじゃないか・・・」【心配・不安】
「待ってる間、ずっと一人で立って待っていないと・・・」【さみしさ】
これらが怒りの手前にある最初の感情、つまり「一次感情」なのです。
そして、「怒り」とは一次感情が急速に変化したものといえます。
ぶたちく先生
とりあえず電話で文句言ってやる!ブヒーっ!!
こぶた
先生!おちついて!電話でどなったって何にもならないよ!

怒りを暴走させるな

怒りの原因がわかりました。
ではその次に、怒りとどう向き合うか、考えてみましょう。

気持ちを素直に伝えるようにする

先ほど書いたように、怒りの感情は二次感情、その手前に原因となる一次感情があります。
大切なのは、相手にそれを素直に伝えることです。
先ほどのデートに遅刻した例を考えましょう。
怒りの原因が、【心配】の場合
「何かあったんじゃないかととても心配したんだ。もし遅れる場合は連絡してね。」
怒りの原因が、【さみしさ】の場合
「一人で待ってるのさみしかったんだ!」(←男性が言っても大丈夫だと思いますよ!)
こんな風に伝えられたら、相手も向き合ってくれそうじゃないですか?
もちろん怒りながらはだめですよ。
怒りながら話すと、相手がまた怒りの感情を起こしかねないですからね。

我を失うのは6秒間

何かがあって、あなたの怒りボルテージがマックスになったとき・・・
「怒りで我を失って・・・」というやつですね。
怒り発生とともに、我が「いってきます」と消え去り「ただいま」と帰ってくるまで、6秒間かかるそうです。
経験ないですか?
怒ってしばらくして、「やっちゃった!」って思ったこと・・・
逆にいえば、この6秒間を耐え抜けば、怒りの暴走を防ぐことができます。
ここでは、よく言われている方法をご紹介します。
できるかー!!って思うものもあると思いますが、できそうなやつにチャレンジしてください!

コーピングマントラ

これは自分が怒った時に一つの言葉を唱え続ける、というものです。
「大丈夫、大丈夫・・・・・」
「なんとかなる、なんとかなる・・・・・・」
「お金、お金・・・・・・」
なんでもいいのですが、とにかく自分が無意識に言える言葉を準備しておき、6秒間唱えながら、暴走をやり過ごすというものです。

カウントバック

これは、怒りメーターが振り切った瞬間に引き算を始める、というものです。
もちろん、頭の中でですよ。
「100,97,94,91,・・・・」
のように、100から3をひき続けるなど、適度に頭を使うものがいいそうです。
こうして6秒間を過ごします。

スケールテクニック

これは、普段から、不愉快な事があったときに怒りに点数をつける、というものです。
心の中に「怒りメーター」を作り、例えば
「いま足を踏まれたな・・・3点」
「話しかけてきた人が上から目線だったな・・・5点」
みたいな感じです。
実際に何点かよりも、10点満点が出そうなときに、6秒間を乗り切ることが目的なので、普段から点数付けを習慣化しておくといいですね!

身近な人に怒った後にどうなるかを想像する

身近な人に対して怒ったときに、皆さんはどのような結末を望みますか?
相手を傷つけたいですか?
相手を泣かせたいですか?
相手を怖がらせたいですか?
違いますよね。
理解してほしいんですよね。
実は、怒りの感情は、身近な人であればあるほど、生じやすいと言われています。
身近な人と生活する、時間をともにするときに、自分を理解してほしいと思うのは、当然のことだと思います。
じゃあ怒ったときに「きつい言葉」や「罵声」は必要ですか?
いらないですよね?
怒ったときに、相手を傷つける言葉をいうと、理解どころか、相手の信頼を失ってしまうかもしれません。
相手と最終的に前より理解しあえる関係を望むなら、よくない言葉は絶対に言わないで下さい!
ぶたちく先生
あの!さっき大福買ったら1個足りなかったんですけど!!どうしてくれるんですかー?!!
こぶた
(電話しちゃった・・・)

怒りと向き合う

ここまで読んだあなたは、怒りの暴走を許すことはないでしょう。
でも怒りの感情とはどのように向き合えばよいのでしょうか?

怒りをため込まず、気持ちを伝える

怒りは暴走させてはいけない。
でも、勘違いしないでください。
これは「怒ってはいけないよ」という話ではありません。
自分の感情が伝わらないと、相手はそれに気づきません。
それでは、また同じことが繰り返しになる可能性があります。
結果的にまた苦しむのはあなたです。
大切なのは怒りの伝え方なのです。

何を伝えるか

まずは、一次感情を伝えましょう。
先ほども言った、「心配したよ」とか「さみしかったよ」とかそういうことですね。
そして、自分がどの程度なら許せて、逆に許せないのかも伝えましょう。
「遅刻は10分ぐらいまでなら許せるけど、15分はだめだよ!」
「おもしろいと思っても、僕の家族のことを言うのはやめてね」
とかもそうです。
相手の常識が自分の常識と違うって普通のことです。
相手はあなたが不愉快になるとは思っていない、ということも珍しくありません。
日頃から人と接するときに、わざわざ相手に嫌な思いをさせようとは思わないですよね。
自分がこう思うよっていうことを丁寧に伝えましょう。
そういうことを理解してくれる相手と、いい関係を築いていければ一番いいと思います。
ぶたちく先生
・・・え?そうなんですか?・・・いえいえ、気にしないで・・・頑張ってね!
こぶた
先生?どうしたの?
ぶたちく先生
なんか新人の店員さんで間違えたみたい。すごく謝られたよ・・・ぼくもなんか言いすぎたな・・・
こぶた
よかったね、また買いに行けるね!

最後に

吠え狂うように怒っている人を見てどう思いますか?
どんな理由があっても、ちょっと関わりにくいですよね。
その人は感情をコントロールできずに怒りに逆に支配されています。
怒ったときに大切なのは伝え方。
突如湧く怒りの感情も、言い方ひとつでお互いをより理解するきっかけになるかもしれません。
怒りをコントロールしてスマートに対応したり、状況を打開できる人ってかっこいいですよね。
アンガーマネジメントは普段からの意識付けです。
大切な関係を一時の感情で失わないように、怒りを支配し、味方につけましょう。